· パイロットの目 · 8 min read
変化には時間がかかる、でも確実に変われる
同僚と話して、自分の思い込みから解放された後、いくつか行動を変え始めました。 知識の見直し、決断を早くすること。 そして、ある時、TEDの動画を見たんです。 リーダーシップがテーマで、そこに映っていたのは、リーダーの周りに自然と人が集まってきているシーン。その真ん中にリーダーがいる。
TEDの動画で見たリーダーの姿
同僚と話して、自分の思い込みから解放された後、いくつか行動を変え始めました。
知識の見直し、決断を早くすること。
そして、ある時、TEDの動画を見たんです。
リーダーシップがテーマで、そこに映っていたのは、リーダーの周りに自然と人が集まってきているシーン。その真ん中にリーダーがいる。
「あ、真ん中か」
そう思った瞬間、バカバカしいかもしれないけれど、自分も真ん中を意識してみようと思いました。
とにかく真ん中を意識する
電車に乗って、席が空いている時は、真ん中の座席に座る。
トイレも真ん中を使う。4つしかない時は、その部屋全体の空間の真ん中を使う。
できるだけ道の真ん中を歩く。
意識と行動を変えることで、思考が変わってくると信じていました。
むしろ、自分の行動のイメージを変えることで、見えるところが変わるんじゃないかって。
実際、電車の真ん中に座ると、両方が広く見えるんです。自分が広がった感じがする。
隅に座ると、なんか縮こまった感覚になる。
朝早い電車なんて、みんな隅に座ってるんですよね。そんな中、真ん中にポツンと座ると、ちょっと変な感じになるんですけど。
でも、真ん中を意識する時、同じようにリーダーとしての自覚も蘇る気がしてました。
今でも続けてます。
未来から未来へ
副操縦士の頃は、その場その場に対処することに一生懸命でした。
でも、慣れてくると、予測が大切だなって感じ始めたんです。
パイロットって、誰でも良い着陸をしたいと思ってますよね。
良い着陸をするためには、まず、心が落ち着いていないといい着陸にならない。
飛行機の操縦って、心の状態がそのまま出ちゃうんです。
そのためには、進入中の安定が大切で、進入のためには、降下のプランニングが大切で——というように、未来から未来への組み立てが、心の安定につながってくるんですよね。
ゴールからの逆算
だから、ゴールをイメージすることにしました。
スポットインした時の自分。
落ち着いて航空日誌を記入している。
一緒に飛んできたクルーとの食事で笑っている。
そこから逆算して、今何をすればいいか考える。
フォロー訓練中は、その場その場の指摘に対応しようとして、全体が見えなくなってたんですよね。
でも、ゴールが見えていれば、間違ったと思ったらすぐ変えればいい。
朝令暮改、大いに結構です。
いろいろな変化をイメージしてフライトを考えていると、変化の兆しが見えてくるんです。
小さな修正で済むので、全てが安定してくる。
迷わないと決めた
3ヶ月くらい経った頃。
「本当に変われているのか?」という不安は、不思議となかったです。
迷わないと決めてやってみると、意外と簡単でした。
考えないので、自然と次々という思考になってくる。
そのためにも、目指すゴール、自分の思い描く機長イメージ、操縦のイメージがすごく大切なんだなって。
目的地の空港が非常に条件が悪い場合、燃料は?着陸できない場合に行ける空港は?
そんな様々な未来の変化に対する準備が、自然に見えてくるようになりました。
何か不安があると、その不安に固執しちゃうんですよね。
でも、ゴールのイメージがあると、逃げ道や限度が見えてくる。
決断が早くなると、副操縦士とのコーディネーションも良くなってくるんです。
半年後の言葉
そして半年ほど経った頃。
一緒に乗務する教官クラスの機長から、こんな言葉をもらえるようになりました。
「すごくよくなっているよ」
「判断も的確で早いし、コーディネーションもうまく取れている」
この言葉を聞いたとき、やっと変われたんだなって実感しました。
変化には時間がかかる
人って、変わるのに時間がかかるんですよね。
変化のビジョンを自分の中に落とし込んで、思考を変えて、行動が変わって、そして周りの人が変化を意識できるようになる。
私の場合、半年かかりました。
でも、迷わないと決めて、ゴールをイメージし続ければ、確実に変われるんだなって。
日々の中では、ほとんど変化は感じられないんです。
でも、少しずつ確実に変わっていってる。
真ん中に座る。
ゴールをイメージする。
迷わない。
バカバカしいと思うかもしれないけれど、私にはこれが効きました。
あなたには、あなたなりの方法があるかもしれませんね。