普遍的な操縦なんてあるわけない
鹿児島から福岡へ向かう便でのことです。 その日は副操縦士に操縦を任せていました。福岡空港へのアプローチが始まると、彼のプランニングに違和感を覚えました。 降下のタイミング、速度の落とし方、経路の考え方——どれも私のやり方と違う。 鹿児島福岡は30分程度の短い路線です。長年の経験で磨いてきた自分のやり方こそが、最も安全で効率的だと信じていました。
鹿児島から福岡へ向かう便でのことです。 その日は副操縦士に操縦を任せていました。福岡空港へのアプローチが始まると、彼のプランニングに違和感を覚えました。 降下のタイミング、速度の落とし方、経路の考え方——どれも私のやり方と違う。 鹿児島福岡は30分程度の短い路線です。長年の経験で磨いてきた自分のやり方こそが、最も安全で効率的だと信じていました。
「飛行機の操縦って、特別な才能が必要なんでしょ?」 そう思われている方も多いかもしれません。でも実は、誰でもできるように作られているんです。 ただし、そこには確実な理論と計算があります。 たとえば着陸。一見、パイロットの勘やテクニックに見えるかもしれませんが、実は緻密な計算の積み重ねなんです。
「また同じミスをして…本当に注意が足りないんじゃないか」 そんな言葉を聞いたことはありませんか?あるいは、自分自身に対してそう思ったことは? 実は、ミスをするのは人間として当たり前のことなんです。そして、ミスをした本人を責めても、何も解決しません。 人間の脳は、とても効率的に働くようにできています。
機長審査の実機審査に無事合格した時、私はほっと胸を撫で下ろしました。しかし、安堵も束の間。これは始まりに過ぎません。 ATR(定期航空事業用免許)を取得したとはいえ、これは車で言えば二種免許を取っただけのようなもの。本番は、これから始まる路線審査です。 路線OJTが始まります。この期間中、安全性、定時制、快適性、経済性を考慮したフライトができているかを逐一評価されます。
機長昇格訓練の定期航空運送事業操縦士の免許を取る訓練。 人生がかかった勝負です。 まだ車も走っていない早朝5時、私は道路のセンターラインを歩いていました。ちょっとでもセンターからずれたら、素早くラダーを踏み込む。離陸直後のエンジン故障のイメージフライトです。 飛行機が浮く直前に片側のエンジンが止まります。